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椎名心実のハイグレダイエット [1.提案]

     * * *

「はぁ……」
 昼休みの校内に、小さなため息がひとつあがった。
 ため息の主は、椎名心実。
 聖櫻学園の新体操部で活躍する2年生だ。
 整った顔立ちにおしとやかな性格もあり、男女問わず人気が高く、学園のマドンナ的存在である。
 そんな彼女だが、今日は元気がない。
 先日、念願のダイエットを成功させ、大会でも結果を出したばかりだというのに、テンションはこの上なく低い。
 心実はもう一度、ため息をつく。
 ため息をつきながら、ダイエットで痩せたはずのほっぺをムニッと引っ張った。
「うぅっ……」
 うなだれる心実。
 すると、背後から声がかけられた。
「……椎名さん、どうしたの」
 心実はビクッと身体を揺らした。
 この声は……出来れば今はあまり会いたくなかった声だ……。
 心実は声の方を向き、
「ど、どうも……見吉さん!」
 と、ぎこちなく会釈をした。
 見吉奈央。
 心実と同じ、2年生の生徒である。
 部活などはしていないが、この歳でモデルの仕事をしているためか、ぽーっとしていてもどこか艶のある雰囲気を持った女生徒だ。
 心実にダイエットの秘訣を教え、成功に導いてくれたのも、他ならぬ彼女であった。
 とても感謝している人物だ。
 だからこそ、今は出来れば会いたくなかった……。
「なんだか、元気ないね?」
「い、いえ、ちょっと……」
 そう言って、心実は濁すように愛想笑いを浮かべた。
「…………」
 見吉のトロンとした半眼が、心実をじーっ見つめる。
 モデルの仕事がたいへんなのか、彼女はいつも眠たそうな目だ。
 が、しかし……。
「……椎名さん」
「は、はい?」
「体重、リバウンドしちゃったの?」
 見吉の一言に、心実はギクッとなった。
 そう、彼女は学校ではどこかポヤッとしているが、モデルという仕事をしているためなのか、観察力が非常にするどい。
 こそこそとダイエット関連の本を図書室で探していたときも、ずばり見抜かれてしまったのだが、今回も見抜かれてしまった。
「…………はい」
 観念したように、心実は頷いた。
「どうしてわかったんですか?」
 心実がたずねると、見吉はあごに人差し指をおき、
「ん~、ほっぺたつねってるのを見てなんとなくね。ダイエットに成功しても、しばらくしてまた体重増えちゃう人はやっぱりいるから」
「そう、ですか……」
 しょぼんとしながら、心実は「すみません……」と頭を下げた。
 突然、心実にあやまられ、見吉は少し戸惑う。
 しかし、心実はあやまらずにはいられなかった。
 見吉の言う通り、前ほどではないものの、心実は体重がまた増加してしまっていた。
 ダイエットに成功したと思い、大会でも結果を残せたからといって気が緩んでいたのだろう。
 そうしたら、あっという間に体重が増してしまったのだ。
 これでは、ダイエットを手伝ってくれた見吉に、申し訳なくてしょうがなかった。
「椎名さん、また頑張ってダイエットすればいいよ」
「……はい」
 見吉の気遣いの言葉がありがたくて、少し涙ぐみそうになってしまう。
 心実は思わず、顔を伏せた。
 そんな彼女を、見吉はふーんと眺める。
 まるで、なにかを品定めかのようなねっとりとした目で、心実の太ももや胸、全身をくまなく眺めまわす。
 やがて、見吉は「うふっ」と妖しく微笑んだ。
「椎名さんなら、いいかも……」
 ぽつりと、一言つぶやく。
 心実は「え?」と顔をあげると、どこか艶かしい動きで見吉が顔を近づけてきていた。
 心実は思わず、ドキッとしてしまう。
「椎名さん」
「……は、はい?」
 顔を赤くさせながら、心実は見吉の声に応えた。
 なんだか、今日の彼女は、雰囲気がいつもと違う気がした。
 ファッションモデルをやっているだけに、すごく綺麗な人だと普段から思っていたが、今日はそれに加えてずいぶんと色気が感じられる。
 女の子の心実ですら、ドキドキしてしまうほどのセクシーさがあった。
「実は私……ファッションモデルの仕事のとき、簡単に痩せられる新しいダイエット法を教えてもらったんだ」
「あ、新しいダイエット法ですか?」
「うん、すごく簡単に痩せられちゃうから、仕事関係の人以外にはあまり広めないようには言われてるけど、椎名さんになら特別に教えちゃってもいいかなって」
 心実はぽかん聞いているだけだったが、やがて、その話にくいつく。
「どんな、ダイエット法なんですか?」
「んー。ちょっとしたダイエット用のスーツを着て、軽く運動するだけでいいの。早ければ一週間ぐらいで効果がでるよ」
「そ、そんなやり方が……!」
 心実は目を輝かせた。
 だが、見吉の言っていたことを思い出し、顔を曇らせる。
「で、でも見吉さん……なるべく広めてはいけないダイエット方法なのに、私なんかに教えていいんですか? 見吉さんが迷惑な思いでもしたら……」
 心実の言葉に、見吉はクスクスと笑った。
「ううん、そんな固く考えなくてだいじょうぶだから。それに、椎名さんがダイエットで悩んでる姿を見るのは、やっぱりいい気分じゃないし」
 見吉のその言葉が嬉しくて、心実は思わず涙が出てしまいそうになる。
「それじゃあ、椎名さん。やってみる? その新しいダイエット方法」
「はい! ご指導よろしくお願いします、見吉さん」
 そう言って、心実は嬉しそうに頭を下げた。
「それじゃあ、教える場所なんだけど……」
「えっと、人があまり来なくて運動もある程度できる場所がいいですよね」
「うん、椎名さんとしばらく二人っきりで運動できる場所ってある?」
「それなら明日の放課後、新体操部の練習場でどうでしょう? 明日は部活動が全体で休みの日なんですけど、自主連をしたいとお願いすれば、たぶん貸してもらえると思います」
「新体操の練習場……うん、いいね。そこにしようか。じゃあ、新体操部の更衣室に私も行くね」
「はい!」
 日時と場所も決まった。
 まるでそのタイミングを見計らったかのように、天井からチャイムが鳴り響いてくる。
「お昼休み、終わりだね」
「そうですね。……それじゃあ、見吉さん、明日はよろしくお願いします」
 心実の言葉に、見吉はにこやかに頷きながら、
「うん、頑張ろうね」
 と言って、教室の方へ歩いていった。
 心美も自分の教室へと向かう。
先ほどまでの暗い表情が嘘のように、心実の顔はぱぁっと明るい顔になっていた。


「……うふっ」
 教室前の角。
 見吉はひとり佇みながら、妖しげな笑みを浮かべていた。
 何かに憑りつかれてでもいるかのように瞳は虚ろぎ、妖艶な表情を浮かべている。
 見吉は制服のスカートをスッと持ち上げた。
「…………頑張ろうね、椎名さん」
 スカートの中を覗き込みながら、ぽつりと呟く見吉の右頬には、うっすらと星形の紋章が浮かび上がっていた……。

 * * *

 あとがき

新SSシリーズ、ガールフレンドの椎名心実編です。

アニメの新体操服姿を見てから、ハイグレが似合いそうだなぁなどと思ってましたが、今回ようやく形になりました。
タイトル通り、アニメ2話のダイエット回が元ネタとなっています。
どうでもいいことですが、タイトルをハイグレダイエットにするか、がに股ダイエットにするかで少し悩みました。(う~む

今回出だしだけですが、更新停滞中にちょこちょこと書き進め、ほぼ完成まできてますまので、こちらも短い間隔で更新していけると思います。

コメント

No title

面白そうですね。この小説に出てくる二人の絵をリクしてもいいでしょうか?

No title

こんばんハイグレー!(`・ω・´)こっちにも感想をばー

ハイグレダイエットイイ……(*´д`*)なんだか昔書いてたSSを思い出して懐かしく思ったり……
美容に気を配る女子力高めな女の子が自分から進んでホイホイハイグレ洗脳されに来るってシチュは大好きなのでけいおんと併せてどっちも続きが楽しみやでえ……(*´д`*)ノシ ハァハァしつつではではー!

Re: No title

>>ななしさん
コメントとリクエストありがとうございます!
心実と見吉の絵は一応、描いておりますのでSSと一緒にお待ち頂けたら嬉しいです!

>>0106さん
コメントありがとうがざいます!
なんと、0106さんもダイエットネタを……!?
何かにつられて、誰かに誘われて洗脳されていくというシチュが自分も好きでして、GFの2話を見たときこれは使えそうだなんて思ってました。
しかし、実際に書き始めたのが一年後というのが、衝撃です(爆


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プロフィール

正太郎

Author:正太郎
正太郎と申します
悪堕ちや洗脳、ハイグレや百合を扱ったエロ絵やSSを主体としております。
18禁でもなるべくソフトな路線を目指しておりますが、それでも苦手な方はご注意下さいませ。

※ 相互リンク受付中であります。

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