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ハイグレ幻術に囚われた日向ヒナタ ③
* * *
ヒナタは「うっ……」と、思わず後ずさってしまう。
あきらかにおかしなサクラの立ち振る舞いや言動、そして、格好。
よく見れば、輝きを失った虚ろな瞳。
それに加えて、先ほどの破廉恥極まりない変態的な行動。
自分の知っている春野サクラとは、雰囲気があまりにも違いすぎて、ヒナタは警戒せずにはいられなかった。
「サ、サクラさん……だよね?」
確かめるように、ヒナタはそう問いかけてみる。
「なに言ってんのよ、ヒナタ。当然でしょ?」
いつもの調子で、サクラはそう答えた。
その答えに「そ、そうだよね!」と、ヒナタは幾分かほっとする。
しかし、サクラは「でも……」と付け加え、
「ヒナタの知ってる、木の葉の忍である春野サクラとは、ちょっと違うわね。今のわたしは――」
そう言うなり、サクラはヒナタの眼前でふたたびビシッと足を開いて、がに股になり、
「ハイグレ! ハイグレ! わたしは、ハイグレ忍者にして魔王様の忠実なシモベ! ハイグレ人間、春野サクラよっ! ハイグレ! ハイグレ!!」
そう宣言し、サクラは大事な箇所を見せびらかすように股間を突き出し、股のVラインをなぞるよう腕を交差させ始めた。
先ほど、仮面が消える際に行っていた、あの破廉恥なポーズだ。
「ひっ、ひいぃっっ……!?」
ヒナタはびっくりして、らしくない情けない悲鳴をあげてしまう。
ヒナタは「うっ……」と、思わず後ずさってしまう。
あきらかにおかしなサクラの立ち振る舞いや言動、そして、格好。
よく見れば、輝きを失った虚ろな瞳。
それに加えて、先ほどの破廉恥極まりない変態的な行動。
自分の知っている春野サクラとは、雰囲気があまりにも違いすぎて、ヒナタは警戒せずにはいられなかった。
「サ、サクラさん……だよね?」
確かめるように、ヒナタはそう問いかけてみる。
「なに言ってんのよ、ヒナタ。当然でしょ?」
いつもの調子で、サクラはそう答えた。
その答えに「そ、そうだよね!」と、ヒナタは幾分かほっとする。
しかし、サクラは「でも……」と付け加え、
「ヒナタの知ってる、木の葉の忍である春野サクラとは、ちょっと違うわね。今のわたしは――」
そう言うなり、サクラはヒナタの眼前でふたたびビシッと足を開いて、がに股になり、
「ハイグレ! ハイグレ! わたしは、ハイグレ忍者にして魔王様の忠実なシモベ! ハイグレ人間、春野サクラよっ! ハイグレ! ハイグレ!!」
そう宣言し、サクラは大事な箇所を見せびらかすように股間を突き出し、股のVラインをなぞるよう腕を交差させ始めた。
先ほど、仮面が消える際に行っていた、あの破廉恥なポーズだ。
「ひっ、ひいぃっっ……!?」
ヒナタはびっくりして、らしくない情けない悲鳴をあげてしまう。
「ハイグレ! ハイグレ! ハイグレ! ――」
サクラの股間が鼻先までせまり、ヒナタは逃げるように必死に後ろにさがった。
その反応を見たサクラが、
「……なんて顔してんのよ」
と、面白くなさそうな顔で嘆いた。
ヒナタはしどろもどろになりながら、
「さ、サクラさんっ! い、い、いったい……! どうして、そんな格好で……そんなことを……!!」
と、問いかける。
サクラは「そんなことっ……!?」と不機嫌そうに眉をひそめる。
「あんたっ! 魔王様が授けてくださったこのすばらしいポーズを馬鹿にする気っ!!!?」
サクラの怒声が、洞窟内に響き渡った。
ヒナタは弱々しく「だ、だって……」とつぶやくが、
「ハイグレ、ハイグレ! これは魔王様に心からの忠誠を誓う神聖な行動なのよ! それに、この格好――汚らしい人間の姿から解放して頂いた証として、魔王様が与えてくださったすばらしい戦闘服なんだからっ!」
怒り顔で、そう捲し立てるサクラ。
ふんっと鼻をならし、
「まったく。これだから、ただの人間ってのはっ!!」
憎々しげにサクラはそう言い、ヒナタからぷいっと顔を背ける。
しかし、すぐにヒナタの方に顔を戻し、「……だけど」とサクラはにんまりと笑った。
そっとヒナタの方に顔を寄せ、
「まぁ、安心しなさいよ、ヒナタ。今、わたしがあんたを汚らわしい人間から、立派な『ハイグレ人間』にしてあげるわ。わたしのように、ね……」
サクラはそう、耳元で囁いた。
その一言に、ヒナタの背筋がゾクッと震えあがる。
同時に、ヒナタの中にあった様々な疑問の答えが、いくつか見えた気がした。
『ワタシノ、シモベニオナリィィ――!!』
仮面を無理やりつけさせられる直前に聞こえた雄叫びが、脳裏に蘇る。
『日向ヒナタ……アナタにはワタシの組織に入ってもらおうかしら。ワタシの命令通りにその便利そうな眼を使う、ワタシの忠実なシモベとおなり』
『……ぜひ、着せてあげたくなったのよ。ワタシたちの自慢の戦闘服を、ね?』
『そうよ、ワタシの部下になった者たちはみんなただの人間じゃないわ。『ハイグレ人間』なのよ。まぁ、見た目は人間の頃と変わらないけれど、そうねぇ、決定的な違いは、……ンフフフフフ』
先ほどの、仮面の不気味な発言が、耳に粘つくように蘇る。
そして……。
「ハイグレ! ハイグレ! わたしは、ハイグレ忍者にして魔王様の忠実なシモベ! ハイグレ人間、春野サクラよっ! ハイグレ! ハイグレ!!」
『ハイグレ、ハイグレ! これは魔王様に心からの忠誠を誓う神聖な行動なのよ! それに、この格好――穢らしい人間の姿からの解放の証として、魔王様が授けてくれたすばらしい姿なんだからっ!』
サクラの一連の行動や発言……。
ま、まさか……!!
「あっ、あぁっ……」
あの仮面は、まさか、自分を……今のサクラと同じような姿にしようとしているのだろうか?
そう察したヒナタの脳裏に、眼前のサクラを、自分に置き換えた情景がいやでも浮かんでしまう。
お尻の丸みや胸の谷間が丸出しの、お股の大事な部分も見えてしまいそうなあの破廉恥なハイレグ水着を纏い、みっともなくがに股をさらし、変なポーズをとりながらあの仮面を「魔王様!」とまるで神のように崇める自分の、情けない姿……。
(い、いやっ……!! 絶対に、いやぁっっっ!!)
ヒナタは火が吹き出そうなほど顔を真っ赤にさせて、涙目になる。
初心で引っ込み思案な彼女にとって、その光景はあまりにもお下劣で、恥ずかしすぎて、最低最悪すぎる未来だった。
あの仮面の仲間になる気など当然なかったものの、彼らの実態を察し、確固たる拒絶反応がヒナタに改めて芽生える。
しかし……。
「うふふ」
いつの間にか、サクラが隣に座り込んでいた。
ヒナタのズボンに手をかけ、そのままずり降ろそうとしてくる。
「えっ? ちょっ!? やっ! さ、サクラさんっ……!?」
ヒナタは慌ててズボンを掴み、抵抗する。
「な、なにするのっ……!?」
「なにするって、脱ぐに決まってんでしょう? そんな暑苦しいものさっさと脱ぐのよ」
さも当然のように言い、「そして、着るのよ。魔王様から授かったハイグレ水着をね……」とサクラは言う。
その一言で、ヒナタはびくんと震えた。
このままじゃいけない……!!
本能でそう感じたヒナタは、キッと表情を引き締めた。
サクラの手を本気で引きはがしてすばやく立ち上がり、サクラの背後へ瞬時に回り込む。
と、そのまま一気に後ろに飛びのき、大きく距離をとった。
見た目はおとなしそうな可愛らしい少女に見えても、ヒナタは立派な忍者である。
身体能力も、そこそこのものを持っていた。
サクラから大きく遠ざかり、ヒナタはとりあえず安堵の表情を浮かべた。
が――。
「――無駄よ、ヒナタ」
「んんっ……!?」
耳元から声が聞こえたかと思うと、ヒナタは背後から誰かに抱きつかれ、口元をふさがれてしまった。
両腕も背中に固定され、動かせなくなってしまう。
一体、何が起こったのか……?
ヒナタは必死に目だけを動かし、なんとか背後を確認する。
と、そこには何故かサクラのにやけ顔があった。
(そ、そんな……!? 確かに、距離をとったはずなのに……!!)
狼狽するヒナタ。
しかも、よく見ればサクラの背中には、ヒナタが先ほどまで背を預けていた大きな岩がすぐ近くで見える。
確かに大きく距離を移動したはずなのに、どういうわけか、ヒナタは元の場所に戻ってきているのだ。
(な、なにが……どうなっているの……!?)
まるで、狐にでも化かされたような気分だった。
「馬鹿ね、この空間でわたしたちから逃げられるわけないじゃない……」
混乱するヒナタに、サクラが勝ち誇ったような声でつぶやく。
しかし、気弱でおとなしい性格に反して、簡単にあきらめたりしない強い精神を持つのがヒナタという少女である。
ヒナタはすぐに我に返り、あきらめずに尚抵抗しようと全身に力を込めようとした。
だが……。
「んっ、う、うぅっ…………」
何故か、身体に力が入らない。
口元を押さえつけるサクラの掌に、ビュフゥー、ビュフゥーと無様に鼻息を吹き掛けることぐらいしかできなかった。
なんだか、身体が無性に熱い。ドキドキと心臓の鼓動が早くなっていく。
(わ、私……どうしちゃったの……?)
困惑するヒナタの目がトロンとして、焦点が合わなくなっていく。
サクラもそれに気づいたのかニヤリと微笑み、口元と両腕を押さえつけていた手を放した。
「ふふんっ、だいぶ大人しくなったわね」
サクラの言う通り、ヒナタは身体を解放されても、逃げる素振りも抵抗する素振りも見せなかった。
両手を力なくダラリと垂らし、解放された唇からは「はぁ、はぁ……」と熱い吐息がもれる。
「サクラ、さん。一体、私に何を……」
潤んだ瞳で、ヒナタはたどたどしく、そう問いかける。
答えが返ってきたのは、肩をぐいっと後ろに引かれ、サクラのハイレグ水着を身につけた控えめな胸に頭を預けるような形で、一緒に座らせられてからだった。
「別に? 私はなにもしてないけど?」
そう言って、サクラはヒナタの耳元に唇を寄せる。
「あんたの身体が勝手に反応してるんじゃないの? ハイグレ人間のわたしに触れて。自分もハイグレ人間になりたいって……」
ヒナタはそれを聞いて、息を呑んだ。
サクラが甘く囁く。
「ほらほら、正直になったら? あんた、この水着に興味あるんでしょう? 本当は着たいんじゃないの?」
「そ、そんなこと……ない。そんな、恥ずかしい格好……したくない、ですっ!」
ヒナタはムキになってそう返した。
しかし、弱々しいその声では、説得力もなかった。
「ふ~ん。あ、そう……」
サクラは小馬鹿にするように呟きつつ、ヒナタの履いているズボンへと手を伸ばした。
「あ、やっ……、だ、ダメっ……!」
懇願するように静止の声をあげる。
しかし、抵抗する力が今回は出せず、ヒナタのズボンとタイツはしっかりとずり下げらてしまった。
むっちりとした白い太ももと純白の下着があらわになると、ヒナタはぷるぷると震え始めた。
(な、なに……? なんだか……気持ち、いぃ……!)
太ももが直の空気に触れたことで、言い様のない解放感と心地よさが、ヒナタの中に広がっていく。
サクラはにやにやしながら、それを眺めた。
「なによ、ヒナタ。ずいぶんと気持ちよさそうじゃない」
と指摘し、ヒナタのズボンをさらに引っ張って完全に脱がせる。
「べ、別に、そんなこと……ありませんっ……」
ヒナタは逃げるように顔を背け、「ず、ズボン……返してくださいっ!」
と、必死に訴えた。
その訴えに、サクラは脱がせたズボンをヒナタの顔の前に掲げた。
同時に、ズボンを握っていない片方の掌で、ヒナタの肉つきのよい太ももをスリスリと執拗に触る。
すると……。
「えっ……?」
ヒナタのズボンとタイツが、まるで煙のように消えてなくなってしまった。
ヒナタは口を半開きにしながら、呆然とそれを見届けた。
ハッと我に返り、「ず、ズボンは……どこに……?」と混乱気味に、サクラに問いかける。
このままでは、こんな下着姿のままで、里に戻る羽目になってしまう……!
「もう、どこにもないわよ。消えちゃったんだから」
クスクスとおかしそうに笑いながら、サクラは答えた。
「まぁ、別にいいじゃない。本当は脱ぎたくてしょうがなかったんでしょ?」
「なっ……!」
「素直になりなさいって、ヒナタ。ズボンがあんな風に消えたのがいい証拠なの。本当は、あんな暑苦しいもの脱ぎ捨てて、もっともっと露出のある服を着たいって思ってたんじゃないの?」
そう言って、「このハイグレみたいなエッチな水着を……」と自分の着ている水着を見せびらかしてくる。
「だ、だから、私は……!」
ヒナタは、再び声を荒げた。
そもそも、水着を着たいと思ったからといって、どうしたらズボンが消えるというのだろうか。
ヒナタは、そう言及しようとしたところで、
(そういえば……!)
と、この場所に連れて来られた直前の記憶を、思い出す。
不気味な仮面を無理やり着けさせられ、気を失ったときのことを。
(そ、そうだった……! 私、幻術にかけられているかもしれないんだった……!)
幻術の世界ということなら、ズボンが消えたこと、目の前のおかしくなったサクラのことも説明できる。
先ほどの、距離をとったはずなのに、こうして元の場所に戻されている不可解な現象も。
そうか、これは、現実に起きていることではないのだ。
向こうの都合の良いように誘導される、幻の世界。
だからこそ、このままサクラのペースでされるがままになっていてるのはまずい。
宣言通り、あの仮面の忠実なシモベにされてしまうことだろう。
そう思うと、ヒナタは身震いした。
(と、とにかく……!)
反応を返さないこと、それが、今できるもっとも有効な抵抗になるはずだとヒナタは考察し、決意する。
そんなヒナタに、サクラが妖しげに笑みを浮かべながら、顔を近づけてくる。
「……ほら。我慢することないんだから、ヒナタも一緒に着てみなさいよ。このハイグレ水着」
サクラのささやきに、ヒナタは一瞬、ごくりと生唾を飲み込む。
しかし、すぐにぎゅっと目を瞑り、顔を背けた。
サクラが不服そうに、唇を尖らせる。
「なによ。私の言うこと、聞く気ないわけ?」
ヒナタはチラッとサクラを見返し、ぽつりと言い放つ。
「……あなたは、サクラさんじゃない。これは、幻術です……」
サクラはおっ、と目を開いた。
しかし、すぐに唇の端をニタリとつりあげ、余裕の笑みを浮かべた。
それを見て、ヒナタは確信するように、問いつめる。
「やっぱり、幻術……なんですね?」
「ふーん。残念だけど、これは幻術じゃないのよね」
あくまで白をきるつもりのようだが、サクラの反応を見て、ここが自分を陥れる幻の世界だというのは、ほぼ確実だった。
なら、やはり、今やるべきことはひとつ。
とにかく反応を返さず自分をしっかり保つことだ。
ヒナタはそう心に決めたのだが……。
「――ヒナタ」
その決心は、早々に打ち砕かれてしまうことになる。
呼びかけられても、ヒナタは顔を向けずに、とにかく無視し続けた。
が……。
「んっ!」
頬をつかまれ、むりやりサクラの方を向けさせられてしまった。
ヒナタは思わず、薄く目を開けてしまう。
と、サクラの顔が、互いの吐息がかかってしまうほど間近に迫ってきていることに気づいた。
たちまち、ヒナタは目を見開く。
「なっ……!? さ、さ、サクラさんっ……!?」
顔を真っ赤にして焦るヒナタに、サクラは、
「もうっ、あんたが強情だから……こんな恥ずかしいことしなきゃいけないじゃない……」
と言って、ヒナタの唇を指先で艶かしくなぞり、微笑む。
ヒナタは、サクラが何をしようとしているのか察し、慌てて声をあげるが、
「まっ、待って……!? そんなっ、女の子同士で――――んうぅっ!?」
静止の声もむなしく、 ヒナタの唇はサクラの真っ赤な唇で塞がれてしまった。
サクラはちゅっちゅっと触れるだけのキスを数回繰り返してから、ヒナタの口内に、舌を侵入させる。
「んふっ……ふうぅっ……!」
まるで蛇のように、ヒナタの口内を暴れまわるサクラの舌。
舌を通してサクラの唾液が、ヒナタの口内に大量に注がれていく。
ヒナタはなすすべなく、それを受け続け、こくこくと喉に流し込んでしまう。
しばらく、サクラ側の一方的な接吻が続いた。
「んっ……んっ……!」
だが、やがて変化が起きた。
されるがままだったヒナタの舌が縦横無尽に口内を暴れまわるその姿に魅入られたのか、自ら近づいていく。
すると、即座にサクラの舌が獲物を捕らえるかのように、ヒナタの舌にまとわりついた。
「ん、んんっ……!!」
ヒナタは苦しげな声をもらした。
しかし、声とは裏腹に、心中では舌をまとわりつかれるくすぐったさに、心地よさのようなものを感じていた。
不快では、ない。
いや、そればかりか……。
(き、きもひ……いぃ……)
ヒナタはそんな感想を抱いてしまっていた。
やがて、舌が自らの意志に反して勝手に動いていく。
「んんっ……、んふふぅっ……!」
「んっ……」
互いの舌を激しく絡ませ合い、唾液を交じらせあう。
ヒナタは相手が女の子だということも、敵の罠であるということもすっかり忘れ、キスの魔力にすっかり心を奪われていた。
されるがままの一方的なキスから、いまや互いの舌を激しく絡ませあう濃厚な熱いキスへと変わりはてていた。
キスによる興奮と熱中で、ヒナタの額や鼻筋には大量の汗が滴ってき、ポタポタと垂れていく。
(ふ、ふぁあん……あ、あつぃぃい……)
ヒナタが、無意識にそう思った時だった。
フッと身体が軽くなり、肌がさらけ出されていくような解放感に包まれた。
何かが、自分の中で大きく変わった気がした。
だが、ヒナタはキスに夢中ですぐにそれを調べている余裕はなかった。
「んんっ……ぷはぁっ!」
「……ふっ」
頃合いを見てサクラが唇を離したことで、二人の熱い口付けは終わりを迎えた。
サクラはなんてことはないといった顔で、クールに口を拭う。
対するヒナタの方は、「はぁ……、はぁ……」と息も絶え絶えに、涎を大量に垂らしながらキスの激しさに放心していた。
そのくせ、サクラの唇が離れたときは、追いかけるようにだらしなく舌を伸ばしていた。
本心では、まだまだ続けていたいと感じていたのだ。
サクラが、可笑しそうに笑う。
「なによ~、舌伸ばしてきちゃって。まだしたかったの……? そっけない態度とってたくせに」
その言葉に、ヒナタの頭が冷え、ようやく本来の冷静さを取り戻していく。
(わ、私……、一体、今、何を……?)
拒絶していたはずなのに、気づけば積極的にキスに応えてしまっていた。
その事実に、ヒナタはショックを隠せなかった。
「そんなに、良かったんだ~? 私とのキス」
「ち、ちがいまっ――――!」
否定しようと慌てて身をよじった途端、胸や股間にきゅっとしめつけられるような快感が走った。
「ひっ……!!!?」
ヒナタはたまらず、艶のこもった小さな悲鳴をあげる。
胸や股が妙に窮屈で、圧迫感があることに今更ながら、気づく。
ヒナタはおそるおそる自身の姿を確認してみると……。
「あっ、あっ……!」
オレンジ色のハイレグ水着が、ぴっちりと食い込んでいる自分の姿が、目に飛び込んできた。
今にも秘めやかな箇所が見えてしまいそうな股や胸、完全に露出してしまっている尻の肉やふともも。
それは、目の前のサクラが着ているものと、色以外まったく同じつくりのもの……。
「い、いやぁっっ!!!?」
ヒナタはいままでにないくらい顔を真っ赤にさせ、悲鳴をあげた。
無駄とはわかっても、ヒナタは隠すように身体のあちこちに手を這わせる。
「なによ、気づいてなかったの? さっきからその格好になってたってのに」
サクラが、笑いながら言った。
ヒナタは泣きそうな顔になりながら、確信する。
キスの時に感じた妙な解放感……きっと、あれがきっかけだったんだ、と。
「いやっ……も、元に戻して……! こ、こんな、格好いやっ……!!」
「あははっ、元になんて戻れるわけないでしょう? あんたはもう、ハイグレ人間なんだから……」
ヒナタの言葉をあざけるように、サクラは無常にもそう告げた。
「わ、私は……ハイグレ人間なんかじゃありません……!!」
ヒナタは必死に叫ぶ。
「……あーもう。そんなすばらしい姿になっても、まだ認めないの?」
サクラは呆れた様子で、溜息をつく。
「まぁ、どうせ、時間の問題だろうけどね……」
そう言って、サクラは再びヒナタの身体に密着してきた。
「あっ、やっ……!」
抵抗しようとするヒナタに、サクラはぴしゃりと言い放つ。
「動かないで、じっとしなさいよ」
「……ッ!?」
少しでも抵抗しようとしたヒナタの身体が、ピタリと止まってしまった。
さきほどまでの、力が入らないことによる動けなさとは違う。
ヒナタは自分の意志で、ピクリとも身体を動かすことができなくなった。
そればかりか……。
「さあ、足を開いて……」
「なっ、あっ……!?」
(なっ、なんで……!? 身体が勝手に……!?)
サクラの一言で、閉じていた足が自分の意志に反して開いていく。
* * *
あとがき
はい、③話目です!まだハイグレしてませんが、ハイグレはやっと着ましたね。身体の自由も奪われて、もう堕ちまで秒読みといったところでしょうか。
あとエピローグも含めて、あと二回で終わりだと思いますが来週、再来週と掲載していけるようにしたいと思います。
そして他SSやリクイラスト、挿絵もがんばりますっ!(爆
では、次回の更新でお会いしましょう!
サクラの股間が鼻先までせまり、ヒナタは逃げるように必死に後ろにさがった。
その反応を見たサクラが、
「……なんて顔してんのよ」
と、面白くなさそうな顔で嘆いた。
ヒナタはしどろもどろになりながら、
「さ、サクラさんっ! い、い、いったい……! どうして、そんな格好で……そんなことを……!!」
と、問いかける。
サクラは「そんなことっ……!?」と不機嫌そうに眉をひそめる。
「あんたっ! 魔王様が授けてくださったこのすばらしいポーズを馬鹿にする気っ!!!?」
サクラの怒声が、洞窟内に響き渡った。
ヒナタは弱々しく「だ、だって……」とつぶやくが、
「ハイグレ、ハイグレ! これは魔王様に心からの忠誠を誓う神聖な行動なのよ! それに、この格好――汚らしい人間の姿から解放して頂いた証として、魔王様が与えてくださったすばらしい戦闘服なんだからっ!」
怒り顔で、そう捲し立てるサクラ。
ふんっと鼻をならし、
「まったく。これだから、ただの人間ってのはっ!!」
憎々しげにサクラはそう言い、ヒナタからぷいっと顔を背ける。
しかし、すぐにヒナタの方に顔を戻し、「……だけど」とサクラはにんまりと笑った。
そっとヒナタの方に顔を寄せ、
「まぁ、安心しなさいよ、ヒナタ。今、わたしがあんたを汚らわしい人間から、立派な『ハイグレ人間』にしてあげるわ。わたしのように、ね……」
サクラはそう、耳元で囁いた。
その一言に、ヒナタの背筋がゾクッと震えあがる。
同時に、ヒナタの中にあった様々な疑問の答えが、いくつか見えた気がした。
『ワタシノ、シモベニオナリィィ――!!』
仮面を無理やりつけさせられる直前に聞こえた雄叫びが、脳裏に蘇る。
『日向ヒナタ……アナタにはワタシの組織に入ってもらおうかしら。ワタシの命令通りにその便利そうな眼を使う、ワタシの忠実なシモベとおなり』
『……ぜひ、着せてあげたくなったのよ。ワタシたちの自慢の戦闘服を、ね?』
『そうよ、ワタシの部下になった者たちはみんなただの人間じゃないわ。『ハイグレ人間』なのよ。まぁ、見た目は人間の頃と変わらないけれど、そうねぇ、決定的な違いは、……ンフフフフフ』
先ほどの、仮面の不気味な発言が、耳に粘つくように蘇る。
そして……。
「ハイグレ! ハイグレ! わたしは、ハイグレ忍者にして魔王様の忠実なシモベ! ハイグレ人間、春野サクラよっ! ハイグレ! ハイグレ!!」
『ハイグレ、ハイグレ! これは魔王様に心からの忠誠を誓う神聖な行動なのよ! それに、この格好――穢らしい人間の姿からの解放の証として、魔王様が授けてくれたすばらしい姿なんだからっ!』
サクラの一連の行動や発言……。
ま、まさか……!!
「あっ、あぁっ……」
あの仮面は、まさか、自分を……今のサクラと同じような姿にしようとしているのだろうか?
そう察したヒナタの脳裏に、眼前のサクラを、自分に置き換えた情景がいやでも浮かんでしまう。
お尻の丸みや胸の谷間が丸出しの、お股の大事な部分も見えてしまいそうなあの破廉恥なハイレグ水着を纏い、みっともなくがに股をさらし、変なポーズをとりながらあの仮面を「魔王様!」とまるで神のように崇める自分の、情けない姿……。
(い、いやっ……!! 絶対に、いやぁっっっ!!)
ヒナタは火が吹き出そうなほど顔を真っ赤にさせて、涙目になる。
初心で引っ込み思案な彼女にとって、その光景はあまりにもお下劣で、恥ずかしすぎて、最低最悪すぎる未来だった。
あの仮面の仲間になる気など当然なかったものの、彼らの実態を察し、確固たる拒絶反応がヒナタに改めて芽生える。
しかし……。
「うふふ」
いつの間にか、サクラが隣に座り込んでいた。
ヒナタのズボンに手をかけ、そのままずり降ろそうとしてくる。
「えっ? ちょっ!? やっ! さ、サクラさんっ……!?」
ヒナタは慌ててズボンを掴み、抵抗する。
「な、なにするのっ……!?」
「なにするって、脱ぐに決まってんでしょう? そんな暑苦しいものさっさと脱ぐのよ」
さも当然のように言い、「そして、着るのよ。魔王様から授かったハイグレ水着をね……」とサクラは言う。
その一言で、ヒナタはびくんと震えた。
このままじゃいけない……!!
本能でそう感じたヒナタは、キッと表情を引き締めた。
サクラの手を本気で引きはがしてすばやく立ち上がり、サクラの背後へ瞬時に回り込む。
と、そのまま一気に後ろに飛びのき、大きく距離をとった。
見た目はおとなしそうな可愛らしい少女に見えても、ヒナタは立派な忍者である。
身体能力も、そこそこのものを持っていた。
サクラから大きく遠ざかり、ヒナタはとりあえず安堵の表情を浮かべた。
が――。
「――無駄よ、ヒナタ」
「んんっ……!?」
耳元から声が聞こえたかと思うと、ヒナタは背後から誰かに抱きつかれ、口元をふさがれてしまった。
両腕も背中に固定され、動かせなくなってしまう。
一体、何が起こったのか……?
ヒナタは必死に目だけを動かし、なんとか背後を確認する。
と、そこには何故かサクラのにやけ顔があった。
(そ、そんな……!? 確かに、距離をとったはずなのに……!!)
狼狽するヒナタ。
しかも、よく見ればサクラの背中には、ヒナタが先ほどまで背を預けていた大きな岩がすぐ近くで見える。
確かに大きく距離を移動したはずなのに、どういうわけか、ヒナタは元の場所に戻ってきているのだ。
(な、なにが……どうなっているの……!?)
まるで、狐にでも化かされたような気分だった。
「馬鹿ね、この空間でわたしたちから逃げられるわけないじゃない……」
混乱するヒナタに、サクラが勝ち誇ったような声でつぶやく。
しかし、気弱でおとなしい性格に反して、簡単にあきらめたりしない強い精神を持つのがヒナタという少女である。
ヒナタはすぐに我に返り、あきらめずに尚抵抗しようと全身に力を込めようとした。
だが……。
「んっ、う、うぅっ…………」
何故か、身体に力が入らない。
口元を押さえつけるサクラの掌に、ビュフゥー、ビュフゥーと無様に鼻息を吹き掛けることぐらいしかできなかった。
なんだか、身体が無性に熱い。ドキドキと心臓の鼓動が早くなっていく。
(わ、私……どうしちゃったの……?)
困惑するヒナタの目がトロンとして、焦点が合わなくなっていく。
サクラもそれに気づいたのかニヤリと微笑み、口元と両腕を押さえつけていた手を放した。
「ふふんっ、だいぶ大人しくなったわね」
サクラの言う通り、ヒナタは身体を解放されても、逃げる素振りも抵抗する素振りも見せなかった。
両手を力なくダラリと垂らし、解放された唇からは「はぁ、はぁ……」と熱い吐息がもれる。
「サクラ、さん。一体、私に何を……」
潤んだ瞳で、ヒナタはたどたどしく、そう問いかける。
答えが返ってきたのは、肩をぐいっと後ろに引かれ、サクラのハイレグ水着を身につけた控えめな胸に頭を預けるような形で、一緒に座らせられてからだった。
「別に? 私はなにもしてないけど?」
そう言って、サクラはヒナタの耳元に唇を寄せる。
「あんたの身体が勝手に反応してるんじゃないの? ハイグレ人間のわたしに触れて。自分もハイグレ人間になりたいって……」
ヒナタはそれを聞いて、息を呑んだ。
サクラが甘く囁く。
「ほらほら、正直になったら? あんた、この水着に興味あるんでしょう? 本当は着たいんじゃないの?」
「そ、そんなこと……ない。そんな、恥ずかしい格好……したくない、ですっ!」
ヒナタはムキになってそう返した。
しかし、弱々しいその声では、説得力もなかった。
「ふ~ん。あ、そう……」
サクラは小馬鹿にするように呟きつつ、ヒナタの履いているズボンへと手を伸ばした。
「あ、やっ……、だ、ダメっ……!」
懇願するように静止の声をあげる。
しかし、抵抗する力が今回は出せず、ヒナタのズボンとタイツはしっかりとずり下げらてしまった。
むっちりとした白い太ももと純白の下着があらわになると、ヒナタはぷるぷると震え始めた。
(な、なに……? なんだか……気持ち、いぃ……!)
太ももが直の空気に触れたことで、言い様のない解放感と心地よさが、ヒナタの中に広がっていく。
サクラはにやにやしながら、それを眺めた。
「なによ、ヒナタ。ずいぶんと気持ちよさそうじゃない」
と指摘し、ヒナタのズボンをさらに引っ張って完全に脱がせる。
「べ、別に、そんなこと……ありませんっ……」
ヒナタは逃げるように顔を背け、「ず、ズボン……返してくださいっ!」
と、必死に訴えた。
その訴えに、サクラは脱がせたズボンをヒナタの顔の前に掲げた。
同時に、ズボンを握っていない片方の掌で、ヒナタの肉つきのよい太ももをスリスリと執拗に触る。
すると……。
「えっ……?」
ヒナタのズボンとタイツが、まるで煙のように消えてなくなってしまった。
ヒナタは口を半開きにしながら、呆然とそれを見届けた。
ハッと我に返り、「ず、ズボンは……どこに……?」と混乱気味に、サクラに問いかける。
このままでは、こんな下着姿のままで、里に戻る羽目になってしまう……!
「もう、どこにもないわよ。消えちゃったんだから」
クスクスとおかしそうに笑いながら、サクラは答えた。
「まぁ、別にいいじゃない。本当は脱ぎたくてしょうがなかったんでしょ?」
「なっ……!」
「素直になりなさいって、ヒナタ。ズボンがあんな風に消えたのがいい証拠なの。本当は、あんな暑苦しいもの脱ぎ捨てて、もっともっと露出のある服を着たいって思ってたんじゃないの?」
そう言って、「このハイグレみたいなエッチな水着を……」と自分の着ている水着を見せびらかしてくる。
「だ、だから、私は……!」
ヒナタは、再び声を荒げた。
そもそも、水着を着たいと思ったからといって、どうしたらズボンが消えるというのだろうか。
ヒナタは、そう言及しようとしたところで、
(そういえば……!)
と、この場所に連れて来られた直前の記憶を、思い出す。
不気味な仮面を無理やり着けさせられ、気を失ったときのことを。
(そ、そうだった……! 私、幻術にかけられているかもしれないんだった……!)
幻術の世界ということなら、ズボンが消えたこと、目の前のおかしくなったサクラのことも説明できる。
先ほどの、距離をとったはずなのに、こうして元の場所に戻されている不可解な現象も。
そうか、これは、現実に起きていることではないのだ。
向こうの都合の良いように誘導される、幻の世界。
だからこそ、このままサクラのペースでされるがままになっていてるのはまずい。
宣言通り、あの仮面の忠実なシモベにされてしまうことだろう。
そう思うと、ヒナタは身震いした。
(と、とにかく……!)
反応を返さないこと、それが、今できるもっとも有効な抵抗になるはずだとヒナタは考察し、決意する。
そんなヒナタに、サクラが妖しげに笑みを浮かべながら、顔を近づけてくる。
「……ほら。我慢することないんだから、ヒナタも一緒に着てみなさいよ。このハイグレ水着」
サクラのささやきに、ヒナタは一瞬、ごくりと生唾を飲み込む。
しかし、すぐにぎゅっと目を瞑り、顔を背けた。
サクラが不服そうに、唇を尖らせる。
「なによ。私の言うこと、聞く気ないわけ?」
ヒナタはチラッとサクラを見返し、ぽつりと言い放つ。
「……あなたは、サクラさんじゃない。これは、幻術です……」
サクラはおっ、と目を開いた。
しかし、すぐに唇の端をニタリとつりあげ、余裕の笑みを浮かべた。
それを見て、ヒナタは確信するように、問いつめる。
「やっぱり、幻術……なんですね?」
「ふーん。残念だけど、これは幻術じゃないのよね」
あくまで白をきるつもりのようだが、サクラの反応を見て、ここが自分を陥れる幻の世界だというのは、ほぼ確実だった。
なら、やはり、今やるべきことはひとつ。
とにかく反応を返さず自分をしっかり保つことだ。
ヒナタはそう心に決めたのだが……。
「――ヒナタ」
その決心は、早々に打ち砕かれてしまうことになる。
呼びかけられても、ヒナタは顔を向けずに、とにかく無視し続けた。
が……。
「んっ!」
頬をつかまれ、むりやりサクラの方を向けさせられてしまった。
ヒナタは思わず、薄く目を開けてしまう。
と、サクラの顔が、互いの吐息がかかってしまうほど間近に迫ってきていることに気づいた。
たちまち、ヒナタは目を見開く。
「なっ……!? さ、さ、サクラさんっ……!?」
顔を真っ赤にして焦るヒナタに、サクラは、
「もうっ、あんたが強情だから……こんな恥ずかしいことしなきゃいけないじゃない……」
と言って、ヒナタの唇を指先で艶かしくなぞり、微笑む。
ヒナタは、サクラが何をしようとしているのか察し、慌てて声をあげるが、
「まっ、待って……!? そんなっ、女の子同士で――――んうぅっ!?」
静止の声もむなしく、 ヒナタの唇はサクラの真っ赤な唇で塞がれてしまった。
サクラはちゅっちゅっと触れるだけのキスを数回繰り返してから、ヒナタの口内に、舌を侵入させる。
「んふっ……ふうぅっ……!」
まるで蛇のように、ヒナタの口内を暴れまわるサクラの舌。
舌を通してサクラの唾液が、ヒナタの口内に大量に注がれていく。
ヒナタはなすすべなく、それを受け続け、こくこくと喉に流し込んでしまう。
しばらく、サクラ側の一方的な接吻が続いた。
「んっ……んっ……!」
だが、やがて変化が起きた。
されるがままだったヒナタの舌が縦横無尽に口内を暴れまわるその姿に魅入られたのか、自ら近づいていく。
すると、即座にサクラの舌が獲物を捕らえるかのように、ヒナタの舌にまとわりついた。
「ん、んんっ……!!」
ヒナタは苦しげな声をもらした。
しかし、声とは裏腹に、心中では舌をまとわりつかれるくすぐったさに、心地よさのようなものを感じていた。
不快では、ない。
いや、そればかりか……。
(き、きもひ……いぃ……)
ヒナタはそんな感想を抱いてしまっていた。
やがて、舌が自らの意志に反して勝手に動いていく。
「んんっ……、んふふぅっ……!」
「んっ……」
互いの舌を激しく絡ませ合い、唾液を交じらせあう。
ヒナタは相手が女の子だということも、敵の罠であるということもすっかり忘れ、キスの魔力にすっかり心を奪われていた。
されるがままの一方的なキスから、いまや互いの舌を激しく絡ませあう濃厚な熱いキスへと変わりはてていた。
キスによる興奮と熱中で、ヒナタの額や鼻筋には大量の汗が滴ってき、ポタポタと垂れていく。
(ふ、ふぁあん……あ、あつぃぃい……)
ヒナタが、無意識にそう思った時だった。
フッと身体が軽くなり、肌がさらけ出されていくような解放感に包まれた。
何かが、自分の中で大きく変わった気がした。
だが、ヒナタはキスに夢中ですぐにそれを調べている余裕はなかった。
「んんっ……ぷはぁっ!」
「……ふっ」
頃合いを見てサクラが唇を離したことで、二人の熱い口付けは終わりを迎えた。
サクラはなんてことはないといった顔で、クールに口を拭う。
対するヒナタの方は、「はぁ……、はぁ……」と息も絶え絶えに、涎を大量に垂らしながらキスの激しさに放心していた。
そのくせ、サクラの唇が離れたときは、追いかけるようにだらしなく舌を伸ばしていた。
本心では、まだまだ続けていたいと感じていたのだ。
サクラが、可笑しそうに笑う。
「なによ~、舌伸ばしてきちゃって。まだしたかったの……? そっけない態度とってたくせに」
その言葉に、ヒナタの頭が冷え、ようやく本来の冷静さを取り戻していく。
(わ、私……、一体、今、何を……?)
拒絶していたはずなのに、気づけば積極的にキスに応えてしまっていた。
その事実に、ヒナタはショックを隠せなかった。
「そんなに、良かったんだ~? 私とのキス」
「ち、ちがいまっ――――!」
否定しようと慌てて身をよじった途端、胸や股間にきゅっとしめつけられるような快感が走った。
「ひっ……!!!?」
ヒナタはたまらず、艶のこもった小さな悲鳴をあげる。
胸や股が妙に窮屈で、圧迫感があることに今更ながら、気づく。
ヒナタはおそるおそる自身の姿を確認してみると……。
「あっ、あっ……!」
オレンジ色のハイレグ水着が、ぴっちりと食い込んでいる自分の姿が、目に飛び込んできた。
今にも秘めやかな箇所が見えてしまいそうな股や胸、完全に露出してしまっている尻の肉やふともも。
それは、目の前のサクラが着ているものと、色以外まったく同じつくりのもの……。
「い、いやぁっっ!!!?」
ヒナタはいままでにないくらい顔を真っ赤にさせ、悲鳴をあげた。
無駄とはわかっても、ヒナタは隠すように身体のあちこちに手を這わせる。
「なによ、気づいてなかったの? さっきからその格好になってたってのに」
サクラが、笑いながら言った。
ヒナタは泣きそうな顔になりながら、確信する。
キスの時に感じた妙な解放感……きっと、あれがきっかけだったんだ、と。
「いやっ……も、元に戻して……! こ、こんな、格好いやっ……!!」
「あははっ、元になんて戻れるわけないでしょう? あんたはもう、ハイグレ人間なんだから……」
ヒナタの言葉をあざけるように、サクラは無常にもそう告げた。
「わ、私は……ハイグレ人間なんかじゃありません……!!」
ヒナタは必死に叫ぶ。
「……あーもう。そんなすばらしい姿になっても、まだ認めないの?」
サクラは呆れた様子で、溜息をつく。
「まぁ、どうせ、時間の問題だろうけどね……」
そう言って、サクラは再びヒナタの身体に密着してきた。
「あっ、やっ……!」
抵抗しようとするヒナタに、サクラはぴしゃりと言い放つ。
「動かないで、じっとしなさいよ」
「……ッ!?」
少しでも抵抗しようとしたヒナタの身体が、ピタリと止まってしまった。
さきほどまでの、力が入らないことによる動けなさとは違う。
ヒナタは自分の意志で、ピクリとも身体を動かすことができなくなった。
そればかりか……。
「さあ、足を開いて……」
「なっ、あっ……!?」
(なっ、なんで……!? 身体が勝手に……!?)
サクラの一言で、閉じていた足が自分の意志に反して開いていく。
* * *
あとがき
はい、③話目です!まだハイグレしてませんが、ハイグレはやっと着ましたね。身体の自由も奪われて、もう堕ちまで秒読みといったところでしょうか。
あとエピローグも含めて、あと二回で終わりだと思いますが来週、再来週と掲載していけるようにしたいと思います。
そして他SSやリクイラスト、挿絵もがんばりますっ!(爆
では、次回の更新でお会いしましょう!
コメント
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Re: タイトルなし
> コメントありがとうございます!
まあその辛さも次回までだと思います(笑
水着はナルティメットストーム3の水着イメージからオレンジにしました。
ちなみに川内三姉妹も実は水着の色がだったり……(汗、
もしご希望の色がありましたら言ってくださいね!
>わわっ、もったいないお言葉ありがとうございます!
これからも画力向上に向けてがんばります!
まあその辛さも次回までだと思います(笑
水着はナルティメットストーム3の水着イメージからオレンジにしました。
ちなみに川内三姉妹も実は水着の色がだったり……(汗、
もしご希望の色がありましたら言ってくださいね!
>わわっ、もったいないお言葉ありがとうございます!
これからも画力向上に向けてがんばります!
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