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椎名心実のハイグレダイエット[3.がに股]
* * *
ぺたぺたっ、と足の裏の皮膚が、冷たい床に張りついては離れる音が鳴る。
心実と見吉は更衣室を出て、新体操部の練習場へと向かっていた。
見吉は胸をはるようにして、堂々と歩いている。
そんな見吉の後を追う心実はというと、身体を縮こまらせ、もじもじとしていた。
心実は先に進む見吉の背中を、困ったように目で追う。
ファッションモデルとして活躍する、スタイル抜群の綺麗な背中。
それが、ほぼ生まれたままの姿で目の前にある。
弾力のありそうな尻の丸みが、歩く度にふるふると揺れていた。
心実は、顔を真っ赤にさせる。
女の子同士とはいえ、見吉のそんないやらしい姿を目の前で見てしまっていること、そして、自分もそんな見吉と同じ、いやらしい格好をしているという事実が、心実をどうしようもなく恥ずかしい気持ちにさせた。
見吉がダイエットに効果的だと着せてきた『運動着』。
それは、局部をぎりぎり隠せるぐらいの面積しかない、きつきつのとてつもなくきわどいハイレグ水着だったのだ。
肩や背中、胸の谷間、股のVライン、さらには尻の割れ目まで、今の心実と見吉はさらけ出している状態だった。
ハイレグ水着以外、何も纏っていない状態。
足も、はだしだった。
さすがに足には何か履くものだろうと思ったが、それじゃあダイエット効果が薄れると注意されてしまい、こうした移動の時ですら、裸足でいることを要求された。
だが、ひんやりとしている床の上を歩いていても、足の裏は不思議なことにぜんぜん冷たさを感じなかった。
「それじゃあ、始めようか」
練習場に着くと、見吉が開口一番にそう言った。
ぺたぺたっ、と足の裏の皮膚が、冷たい床に張りついては離れる音が鳴る。
心実と見吉は更衣室を出て、新体操部の練習場へと向かっていた。
見吉は胸をはるようにして、堂々と歩いている。
そんな見吉の後を追う心実はというと、身体を縮こまらせ、もじもじとしていた。
心実は先に進む見吉の背中を、困ったように目で追う。
ファッションモデルとして活躍する、スタイル抜群の綺麗な背中。
それが、ほぼ生まれたままの姿で目の前にある。
弾力のありそうな尻の丸みが、歩く度にふるふると揺れていた。
心実は、顔を真っ赤にさせる。
女の子同士とはいえ、見吉のそんないやらしい姿を目の前で見てしまっていること、そして、自分もそんな見吉と同じ、いやらしい格好をしているという事実が、心実をどうしようもなく恥ずかしい気持ちにさせた。
見吉がダイエットに効果的だと着せてきた『運動着』。
それは、局部をぎりぎり隠せるぐらいの面積しかない、きつきつのとてつもなくきわどいハイレグ水着だったのだ。
肩や背中、胸の谷間、股のVライン、さらには尻の割れ目まで、今の心実と見吉はさらけ出している状態だった。
ハイレグ水着以外、何も纏っていない状態。
足も、はだしだった。
さすがに足には何か履くものだろうと思ったが、それじゃあダイエット効果が薄れると注意されてしまい、こうした移動の時ですら、裸足でいることを要求された。
だが、ひんやりとしている床の上を歩いていても、足の裏は不思議なことにぜんぜん冷たさを感じなかった。
「それじゃあ、始めようか」
練習場に着くと、見吉が開口一番にそう言った。
心実は「は、はい……」とぎこちなく応える。
それを見て、見吉がくすりと笑う。
「恥ずかしい?」
「あ、そ、それは……」
「でも、その恥ずかしさも、すばやく痩せるためには必要なことなんだよ。椎名さん」
「そ、そう……なんですか?」
心実は口ごもりながら、頷く。
「椎名さん、その水着、気持ちいいでしょう。きつくて」
「……へ? え、えぇ……そ、そうですね、とってもきついです」
そう答えると、「それも、このダイエット法では大事な部分だよ」と見吉は微笑んだ。
だが、心実は疑問に思う。
確かに、この『運動着』もといハイレグ水着は、非常に窮屈で圧迫感があったが、気持ちいいなんて感想はどう考えてもでるわけがなかった。
「さ、始めよう」
「は、はい……! あの、それで、これからどんなことをするんですか?」
心実はたずねた。
「んーとね。これを着て、とにかく何でもいいから身体を動かせばいいの」
「そ、それだけなんですか……?」
「うん、最初はね。本当は、とっておきのポーズ……ううん、体操があるんだけど、いきなりはちょっとね。まずは身体を慣らしてから、頃合いをみて教えてあげる」
「わ、わかりました……」
「それじゃ、軽くジャンプでもして、身体を温めよう」
「は、はい!」
コクリと頷き、心実はつま先に力を入れ、ぴょんっと飛び上がった。
が……。
「……ひゃっ!?」
心実はジャンプと同時に小さな悲鳴を上げた。
着地はなんとか出来たものの、そのまま膝を折ってしまう。
「椎名さん、どうしたの?」
同じようにジャンプしていた見吉が、不思議そうにたずねた。
心実は慌てて立ちあがりながら、「い、いえっ……!!」と返す。
顔は真っ赤だった。
心実は笑顔で取り繕いながら、無意識にそっと股間の方へ手を向けた。
ジャンプした反動で、心実の恥ずかしい部分に水着が少し食い込んでしまったのだ。
「す、すみません、続けましょう!」
水着を直しながら、心実は気を取り直すように言った。
今度は食い込んだりしないよう意識しながら、心実は飛ぶ。
ぴょん、ばふっ。
ぴょん、ばふっ。
数分ほど、飛んだり、ストレッチなどをしたりして、時間を過ごす。
「……うん、準備運動はこんな感じかな」
「そうですか」
心実は頷く。
身体を少し動かしたためだろうか。
心実の中にあった羞恥心が、わずかながら薄らいでいた。
「見吉さん、次は何をするんですか?」
「ん~。そうだね、今はとりあえずこれを着て体さえ動かしていればいいから……そうだ、新体操の練習でもやってみるのはどうかな」
「新体操の練習……ですか?」
「うん。せっかくだから、椎名さんの新体操しているところ見てみたいな、わたし」
心実は自分の水着姿を見下ろし、少しためらうような素振りを見せつつも、
「わ、わかりました」
と了承した。
一呼吸置いてから、見吉から少し距離をとる。
そして、普段やっている練習メニューをいくつかこなしていく。
動いている途中、また水着が食い込んでくるのではないかとヒヤヒヤしたが、そんなことはなかった。
そればかりか……。
(あれ? なんだか身体がすごく動きやすい……!!)
心実は戸惑う。
いつもの練習時よりずっと身体が軽くて、すばやい動きが出来ているような気がした。
ダイエットのために行っているということも半ば忘れ、心実は無我夢中で舞い続ける。
「椎名さん、すごいすごい。やっぱり、大会で結果出せる人のそれは違うね」
一通りの練習を終えると、見吉が駆け寄って声をかけてきた。
心実は額の汗を拭いながら、笑顔で応える。
「い、いえ。今日はなんだか、すごく調子が良かったんです。身体が軽くて、すごく動きやすくて……。それに、なんだか胸がすごくドキドキして……」
それを聞いた見吉は、にやりと含み笑いを浮かべて言った。
「……それ、今身につけてる運動着のおかげかも」
「そうなんですか?」
「うん。その運動着、実はダイエット効果とはまた別に、着慣れてくると運動を促進する効果が備わっているから。きっと、椎名さんの身体に馴染んできたんだろうね」
クスクスと笑いながら、見吉は言う。
心実はへぇ~と賛嘆するかのような目で、水着を見下ろしていた。
「すごいでしょう? それ」
「はい! そうですね!」
「なんだったらこれを着て、大会に出ちゃってみてもいいよ。椎名さん」
「い、いえ、それはさすがに……」
見吉の冗談に、心実はおかしそうに笑う。
しかし、ほんの数分前まで、この水着に対して激しい羞恥心を抱いていたというのに、心実は満更でもなさそうな表情を浮かべていた。
背中もお尻もほぼ丸出しという、変態的な格好をしていることには変わっていないのにである。
そんな心実の姿を見て、見吉は「よしよし」と頷き、
「椎名さん、それじゃあ次のステップに移ろうか」
と、提案した。
「え、もうですか?」
「うん、今の椎名さんなら、もう十分に次のステップに行けるよ。運動着もずいぶん馴染んできたみたいだしね。あ、少し痩せてきたように見えるかも」
とってつけたような最後の一言だったが、心実は「ほ、本当ですか?」と頬を緩めた。
嬉しそうに両の手で頬をおさえる心実の姿を見て、見吉はふふっと妖しげな笑みを浮かべる。
「さ、そろそろ続けよう。椎名さん」
「はい!」
元気よく頷くと、心実は「次は何をするんですか?」と見吉に尋ねた。
「うん……」
一言間を置いてから、見吉は切り出す。
「……今からお手本を見せるから、椎名さん、私に続いて同じ事をしてね?」
「……?」
やけに含みがあるような言い方だった。
心実は一瞬不思議に思ったものの、そこまで気に止めず、
「わかりました」
と、にこにこしながら頷いた。
が……。
その表情は、見吉がとった行動を前に、徐々に引きつっていく。
見吉はまず、前屈みになって膝に手を置いた。
そこまでは良い。
しかし、その後が問題だった。
「んっ……」
見吉はググッと左右に押し出すように両の足に大きく開いていき、さらには、腰まで深く落とし始め……。
「み、み、見吉、さん……!?」
立派ながに股姿になってしまった見吉を前に、心実は声を震わせた。
がに股――女の子がやるにはあまりにも恥ずかしく、破廉恥な格好だ。
しかも、普段着でやっているのではない。
お尻も股のラインも露出してしまっているような格好で、見吉はそんな姿勢をとっているのだ。
心実は火が出そうなくらい真っ赤になって、我が目を疑った。
あろうことか、見吉はその状態で足を動かし、一歩、二歩、と怪獣のようにノシノシと歩き始める。
唖然と眺めている心実に向かい、見吉が呼びかけた。
「……椎名さん?」
心実はドキッとする。
見吉の瞳には、何をしてるの? という訴えの色が見え隠れしていた。
心実は、先ほど彼女が言っていたことを思い出す。
そうだ、見吉はいまお手本をやっているのだ。
つまり、今から自分がやらなければならいことなのだ。
心実は思わず、拒絶するように顔を伏せる。
「み、見吉さん! そんなこと、私……」
できませんと言う前に、見吉が「恥ずかしいの?」と遮る。
「だいじょうぶだよ。これも慣れちゃうから。その運動着だって、最初は恥ずかしかったのに、すぐ慣れちゃったでしょ?」
見吉は笑いながら、そう言った。
心実は押し黙る。
そう言われると、返す言葉がない。
確かに見吉の言う通りだ。
あれだけ、着るときは恥ずかしさで一杯だったこのハイレグ水着も、少し身体を動かしただけで、大して気にならなくなっていた。
今度も……同じなのだろうか。
あんな風にみっともなくがに股になっても、気にならなくなるのだろうか。
葛藤する心実。
救いを求めるように、見吉に視線を向けた。
見吉はがに股の姿勢のまま、心実を待ち続けている。
やはり、多少は羞恥心を感じているのか、顔は赤く、唇から小刻みに熱い吐息が漏れ出ていた。
それを見て、心実は心を決める。
そうだ、何も自分ひとりだけでそんな姿勢をとるわけじゃない、見吉と一緒にやるのだ。
心実は意を決して、視線を足元に下ろす。
膝に手を置き、ごくりと生唾を飲み込みながら、見吉がやったように両の足を左右逆方向にぐぐっと大きく開いていく。
と……。
「……っ、んっ! んんっ!?」
心実は堪えようとするが、思わず声がもれ出てしまう。
ただでさえ股間に食い込みやすかったハイレグ水着が、足を大きく開いたことで今までにないくらい食い込み、心実の秘めやかな部分を摩擦してくる。
心実はぎゅっと目を閉じ、股間からの刺激に耐えながら、腰を必死に落としていった。
「……うふ」
見吉のほくそ笑むような声が聞こえてきた。
「椎名さん、立派ながに股姿だね」
言われて、心実は自分の姿を見下ろし、改めてとてつもない羞恥心に駆られる。
あぁ、自分は一体、なんて格好をしているのだろう……。
「さぁ、椎名さん。そのみっともないがに股で歩く姿……わたしに見せて」
「は、はぃ……」
言われるがまま、心実は右足をのしっと前に出した。
足を動かしたことで、水着がよりきつく股間にぎちっと食い込んでくる。
「……っ、うぅ……」
唇を固く結ぼうとするが、それでも声が出てしまう。
「椎名さん、ほら、早くもう一歩」
たった一歩踏み出すだけでそんな状態なのに、よりにもよって見吉はそんな風に急かしてくる。
だが、心実は従うしかなかった。
「は、いぃ……んうぅ……」
一歩、二歩。
のし、のし、とがに股姿で歩く心実。
「うん。椎名さん、その調子その調子」
言いながら、見吉もがに股歩きを再開する。
心実は見吉の背中を追う形で、がに股歩きを続けた。
そんな二人の姿は、まるでヘンテコな儀式でも行っているようである。
なんとも滑稽な姿だった。
もっとも、学園トップクラスの美少女二人が、よりにもよって破廉恥きわまりないきつきつのハイレグ水着を身につけ、そんなことをしているのだから、一部の人間にはプレミア物の光景といえるだろう。
「はぁ、はぁ……」
心実の艶のこもった吐息が、館内に響く。
(だめ、ですうぅ……、こんなことを続けてたら……、わたしぃ……おかしくなっちゃいそうですうぅ……!)
余裕そうな見吉に比べ、心実の意識は快感によって、今にも明後日の方向へいってしまいそうな衝動に襲われていた。
* * *
それを見て、見吉がくすりと笑う。
「恥ずかしい?」
「あ、そ、それは……」
「でも、その恥ずかしさも、すばやく痩せるためには必要なことなんだよ。椎名さん」
「そ、そう……なんですか?」
心実は口ごもりながら、頷く。
「椎名さん、その水着、気持ちいいでしょう。きつくて」
「……へ? え、えぇ……そ、そうですね、とってもきついです」
そう答えると、「それも、このダイエット法では大事な部分だよ」と見吉は微笑んだ。
だが、心実は疑問に思う。
確かに、この『運動着』もといハイレグ水着は、非常に窮屈で圧迫感があったが、気持ちいいなんて感想はどう考えてもでるわけがなかった。
「さ、始めよう」
「は、はい……! あの、それで、これからどんなことをするんですか?」
心実はたずねた。
「んーとね。これを着て、とにかく何でもいいから身体を動かせばいいの」
「そ、それだけなんですか……?」
「うん、最初はね。本当は、とっておきのポーズ……ううん、体操があるんだけど、いきなりはちょっとね。まずは身体を慣らしてから、頃合いをみて教えてあげる」
「わ、わかりました……」
「それじゃ、軽くジャンプでもして、身体を温めよう」
「は、はい!」
コクリと頷き、心実はつま先に力を入れ、ぴょんっと飛び上がった。
が……。
「……ひゃっ!?」
心実はジャンプと同時に小さな悲鳴を上げた。
着地はなんとか出来たものの、そのまま膝を折ってしまう。
「椎名さん、どうしたの?」
同じようにジャンプしていた見吉が、不思議そうにたずねた。
心実は慌てて立ちあがりながら、「い、いえっ……!!」と返す。
顔は真っ赤だった。
心実は笑顔で取り繕いながら、無意識にそっと股間の方へ手を向けた。
ジャンプした反動で、心実の恥ずかしい部分に水着が少し食い込んでしまったのだ。
「す、すみません、続けましょう!」
水着を直しながら、心実は気を取り直すように言った。
今度は食い込んだりしないよう意識しながら、心実は飛ぶ。
ぴょん、ばふっ。
ぴょん、ばふっ。
数分ほど、飛んだり、ストレッチなどをしたりして、時間を過ごす。
「……うん、準備運動はこんな感じかな」
「そうですか」
心実は頷く。
身体を少し動かしたためだろうか。
心実の中にあった羞恥心が、わずかながら薄らいでいた。
「見吉さん、次は何をするんですか?」
「ん~。そうだね、今はとりあえずこれを着て体さえ動かしていればいいから……そうだ、新体操の練習でもやってみるのはどうかな」
「新体操の練習……ですか?」
「うん。せっかくだから、椎名さんの新体操しているところ見てみたいな、わたし」
心実は自分の水着姿を見下ろし、少しためらうような素振りを見せつつも、
「わ、わかりました」
と了承した。
一呼吸置いてから、見吉から少し距離をとる。
そして、普段やっている練習メニューをいくつかこなしていく。
動いている途中、また水着が食い込んでくるのではないかとヒヤヒヤしたが、そんなことはなかった。
そればかりか……。
(あれ? なんだか身体がすごく動きやすい……!!)
心実は戸惑う。
いつもの練習時よりずっと身体が軽くて、すばやい動きが出来ているような気がした。
ダイエットのために行っているということも半ば忘れ、心実は無我夢中で舞い続ける。
「椎名さん、すごいすごい。やっぱり、大会で結果出せる人のそれは違うね」
一通りの練習を終えると、見吉が駆け寄って声をかけてきた。
心実は額の汗を拭いながら、笑顔で応える。
「い、いえ。今日はなんだか、すごく調子が良かったんです。身体が軽くて、すごく動きやすくて……。それに、なんだか胸がすごくドキドキして……」
それを聞いた見吉は、にやりと含み笑いを浮かべて言った。
「……それ、今身につけてる運動着のおかげかも」
「そうなんですか?」
「うん。その運動着、実はダイエット効果とはまた別に、着慣れてくると運動を促進する効果が備わっているから。きっと、椎名さんの身体に馴染んできたんだろうね」
クスクスと笑いながら、見吉は言う。
心実はへぇ~と賛嘆するかのような目で、水着を見下ろしていた。
「すごいでしょう? それ」
「はい! そうですね!」
「なんだったらこれを着て、大会に出ちゃってみてもいいよ。椎名さん」
「い、いえ、それはさすがに……」
見吉の冗談に、心実はおかしそうに笑う。
しかし、ほんの数分前まで、この水着に対して激しい羞恥心を抱いていたというのに、心実は満更でもなさそうな表情を浮かべていた。
背中もお尻もほぼ丸出しという、変態的な格好をしていることには変わっていないのにである。
そんな心実の姿を見て、見吉は「よしよし」と頷き、
「椎名さん、それじゃあ次のステップに移ろうか」
と、提案した。
「え、もうですか?」
「うん、今の椎名さんなら、もう十分に次のステップに行けるよ。運動着もずいぶん馴染んできたみたいだしね。あ、少し痩せてきたように見えるかも」
とってつけたような最後の一言だったが、心実は「ほ、本当ですか?」と頬を緩めた。
嬉しそうに両の手で頬をおさえる心実の姿を見て、見吉はふふっと妖しげな笑みを浮かべる。
「さ、そろそろ続けよう。椎名さん」
「はい!」
元気よく頷くと、心実は「次は何をするんですか?」と見吉に尋ねた。
「うん……」
一言間を置いてから、見吉は切り出す。
「……今からお手本を見せるから、椎名さん、私に続いて同じ事をしてね?」
「……?」
やけに含みがあるような言い方だった。
心実は一瞬不思議に思ったものの、そこまで気に止めず、
「わかりました」
と、にこにこしながら頷いた。
が……。
その表情は、見吉がとった行動を前に、徐々に引きつっていく。
見吉はまず、前屈みになって膝に手を置いた。
そこまでは良い。
しかし、その後が問題だった。
「んっ……」
見吉はググッと左右に押し出すように両の足に大きく開いていき、さらには、腰まで深く落とし始め……。
「み、み、見吉、さん……!?」
立派ながに股姿になってしまった見吉を前に、心実は声を震わせた。
がに股――女の子がやるにはあまりにも恥ずかしく、破廉恥な格好だ。
しかも、普段着でやっているのではない。
お尻も股のラインも露出してしまっているような格好で、見吉はそんな姿勢をとっているのだ。
心実は火が出そうなくらい真っ赤になって、我が目を疑った。
あろうことか、見吉はその状態で足を動かし、一歩、二歩、と怪獣のようにノシノシと歩き始める。
唖然と眺めている心実に向かい、見吉が呼びかけた。
「……椎名さん?」
心実はドキッとする。
見吉の瞳には、何をしてるの? という訴えの色が見え隠れしていた。
心実は、先ほど彼女が言っていたことを思い出す。
そうだ、見吉はいまお手本をやっているのだ。
つまり、今から自分がやらなければならいことなのだ。
心実は思わず、拒絶するように顔を伏せる。
「み、見吉さん! そんなこと、私……」
できませんと言う前に、見吉が「恥ずかしいの?」と遮る。
「だいじょうぶだよ。これも慣れちゃうから。その運動着だって、最初は恥ずかしかったのに、すぐ慣れちゃったでしょ?」
見吉は笑いながら、そう言った。
心実は押し黙る。
そう言われると、返す言葉がない。
確かに見吉の言う通りだ。
あれだけ、着るときは恥ずかしさで一杯だったこのハイレグ水着も、少し身体を動かしただけで、大して気にならなくなっていた。
今度も……同じなのだろうか。
あんな風にみっともなくがに股になっても、気にならなくなるのだろうか。
葛藤する心実。
救いを求めるように、見吉に視線を向けた。
見吉はがに股の姿勢のまま、心実を待ち続けている。
やはり、多少は羞恥心を感じているのか、顔は赤く、唇から小刻みに熱い吐息が漏れ出ていた。
それを見て、心実は心を決める。
そうだ、何も自分ひとりだけでそんな姿勢をとるわけじゃない、見吉と一緒にやるのだ。
心実は意を決して、視線を足元に下ろす。
膝に手を置き、ごくりと生唾を飲み込みながら、見吉がやったように両の足を左右逆方向にぐぐっと大きく開いていく。
と……。
「……っ、んっ! んんっ!?」
心実は堪えようとするが、思わず声がもれ出てしまう。
ただでさえ股間に食い込みやすかったハイレグ水着が、足を大きく開いたことで今までにないくらい食い込み、心実の秘めやかな部分を摩擦してくる。
心実はぎゅっと目を閉じ、股間からの刺激に耐えながら、腰を必死に落としていった。
「……うふ」
見吉のほくそ笑むような声が聞こえてきた。
「椎名さん、立派ながに股姿だね」
言われて、心実は自分の姿を見下ろし、改めてとてつもない羞恥心に駆られる。
あぁ、自分は一体、なんて格好をしているのだろう……。
「さぁ、椎名さん。そのみっともないがに股で歩く姿……わたしに見せて」
「は、はぃ……」
言われるがまま、心実は右足をのしっと前に出した。
足を動かしたことで、水着がよりきつく股間にぎちっと食い込んでくる。
「……っ、うぅ……」
唇を固く結ぼうとするが、それでも声が出てしまう。
「椎名さん、ほら、早くもう一歩」
たった一歩踏み出すだけでそんな状態なのに、よりにもよって見吉はそんな風に急かしてくる。
だが、心実は従うしかなかった。
「は、いぃ……んうぅ……」
一歩、二歩。
のし、のし、とがに股姿で歩く心実。
「うん。椎名さん、その調子その調子」
言いながら、見吉もがに股歩きを再開する。
心実は見吉の背中を追う形で、がに股歩きを続けた。
そんな二人の姿は、まるでヘンテコな儀式でも行っているようである。
なんとも滑稽な姿だった。
もっとも、学園トップクラスの美少女二人が、よりにもよって破廉恥きわまりないきつきつのハイレグ水着を身につけ、そんなことをしているのだから、一部の人間にはプレミア物の光景といえるだろう。
「はぁ、はぁ……」
心実の艶のこもった吐息が、館内に響く。
(だめ、ですうぅ……、こんなことを続けてたら……、わたしぃ……おかしくなっちゃいそうですうぅ……!)
余裕そうな見吉に比べ、心実の意識は快感によって、今にも明後日の方向へいってしまいそうな衝動に襲われていた。
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