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椎名心実のハイグレダイエット [2.着替え]
* * *
翌日の放課後。
約束通り、心実は新体操部の更衣室へと向かっていた。
「――待ってたよ、椎名さん」
気持ち早く来たつもりだったのだが、見吉は更衣室の前ですでに待機していた。
「すみません、お待たせしました」
と返し、心実はぺこりと頭を下げる。
「今日は改めてダイエットのご教授、お願いしますね。見吉さん」
「うん、まかせて。ふふ、楽しみだね」
「……楽しみ?」
心実は美吉の返答を、少し不思議に思った。
がんばろうとかならわかるが、ダイエットをするのに楽しみというのは、些か合わない言葉のような気がした。
心実のそんな気持ちが伝わったのか、見吉は少し慌てながら言う。
「ううん、こっちの話。……その、椎名さんがまたダイエットに成功して、喜ぶ姿が見れるのが楽しみだなって思ったの」
「あ……そういうことですか」
心実は納得した。
同時に、自分のことを想ってくれている見吉の言葉が嬉しくて、ほんの少しとはいえ、変な疑念を抱いてしまった自分が、なんだか恥ずかしかった。
「応えられるよう、がんばります」
「うん」
張りきりながら、更衣室に入っていく心実の姿を見て、見吉は人知れず、ぺろっと悪戯っぽい表情を浮かべていた。
翌日の放課後。
約束通り、心実は新体操部の更衣室へと向かっていた。
「――待ってたよ、椎名さん」
気持ち早く来たつもりだったのだが、見吉は更衣室の前ですでに待機していた。
「すみません、お待たせしました」
と返し、心実はぺこりと頭を下げる。
「今日は改めてダイエットのご教授、お願いしますね。見吉さん」
「うん、まかせて。ふふ、楽しみだね」
「……楽しみ?」
心実は美吉の返答を、少し不思議に思った。
がんばろうとかならわかるが、ダイエットをするのに楽しみというのは、些か合わない言葉のような気がした。
心実のそんな気持ちが伝わったのか、見吉は少し慌てながら言う。
「ううん、こっちの話。……その、椎名さんがまたダイエットに成功して、喜ぶ姿が見れるのが楽しみだなって思ったの」
「あ……そういうことですか」
心実は納得した。
同時に、自分のことを想ってくれている見吉の言葉が嬉しくて、ほんの少しとはいえ、変な疑念を抱いてしまった自分が、なんだか恥ずかしかった。
「応えられるよう、がんばります」
「うん」
張りきりながら、更衣室に入っていく心実の姿を見て、見吉は人知れず、ぺろっと悪戯っぽい表情を浮かべていた。
「それじゃあ、さっそく新しいダイエットの方法を教えるね。まず、専用の運動着を着てもらわなきゃいけないの」
「はい、昨日言っていたダイエット用のスーツですね」
「うん、そう。それを着て、いろいろ運動するの。椎名さんの分、ちゃんと持ってきたからね」
そう言って、見吉はガサゴソと鞄の中を漁り、取り出した運動着を差し出す。
「はい、これ。これを着てね」
「わかりました!」
心実は満面の笑顔で、それを受け取った。
だが、その運動着の形状を知っていくにつれ、心実はみるみるうちに顔を引きつらせていく。
「あ、あ、あの……見吉、さん……?」
「うん?」
「こ、こ……これを……着るんですか?」
「そうだよ」
心実の問いに、見吉はさも当然のように頷く。
「で、ですけど……!」
「ん~? だいじょうぶ、私も一緒に着るよ? ……というか、実はもう着ちゃってるんだ、私」
そう言って、見吉は制服のボタンを外した。
するすると制服を脱ぎ捨てていき……。
「…………!」
思わず言葉が出なかった。
見吉は制服の下に、確かにその『運動着』を着込んでいた。
本当に、着ていたのだ。
しかし、これは……『運動着』と呼んでいいものなのだろうか……?
「み、見吉さんっ……!」
心実は顔を真っ赤にさせていた。
対する見吉は、まったく意に介した様子も見せない。
まるで、それが自然の状態であるかのような顔をしている。
「さぁ、椎名さんも……」
と、見吉は着ることを催促してくる。
だが、心実は固まってしまい、動けなかった。
見吉は首を傾げながら、
「……もしかして、恥ずかしいの?」
と、尋ねてくる。
心実は「あっ、うっ……」と言葉にならない声を、返すことしかできなかった。
「でも、椎名さんが新体操のときに着てるレオタードと、そこまで変わらないと思うよ、これ。少し小さいだけで」
「そ、そ、そうでしょうか……」
そう、なのだろうか……。
新体操のとき、自分はこんなきわどいものを着ているのだろうか。
いや、違う。
絶対、違う。
違うと、思うのだが……。
「うん、恥ずかしくないよ? ほら」
そう言って、見吉はなんともないとでもいうように、股を隠している部分の『運動着』を、ぐいっと引っ張った。
「み、み、見吉さんっ……!?」
心実は思わず声をあげる。
年頃の、特に、見吉のようなファッションモデルをしている女の子が、そんなことをするのは、あまりにも卑しすぎると思ったからだ。
当の見吉は、「んっ……」と一瞬艶っぽい声をあげただけで、平然としていた。
「ね? 私も一緒に着てるんだから」
「は、はぁ……」
「慣れればぜんぜん、恥ずかしくもなんともなくなるよ? だいじょうぶ」
見吉の言葉に、少しずつ心がぐらついていく心実。
そして、最後の決め手となる一言が発せられた。
「これを着れば、簡単に痩せれちゃうから!」
その一言で、心実は「うっ」と唸る。
そして、ついに折れた。
そう、見吉はすべてダイエットを成功させるために、言ってくれているのだ。
現に前回、彼女の助言のおかげで、しっかり痩せることができた。
変に疑う必要なんて、ないのだ。
むりやりそう納得し、心実は意を決して言う。
「わ、わかりました、見吉さん。私、着て見ます!」
見吉から『運動着』を受け取り、制服を脱いでいく。
心実が『運動着』を纏っていく姿を、見吉はにやにやしながら、嬉しそうに眺めていた。
* * *
あとがき
2話です。
短いです。
やっとハイグレを着ました。
正直、もう少し掲載しようか迷ったのですが、区切り的にここがちょうどいいかなぁと思いまして……。
次回は準備運動に始まり、実践(?)編へ移行していきます。
では、次回の更新でお会いしましょう!
「はい、昨日言っていたダイエット用のスーツですね」
「うん、そう。それを着て、いろいろ運動するの。椎名さんの分、ちゃんと持ってきたからね」
そう言って、見吉はガサゴソと鞄の中を漁り、取り出した運動着を差し出す。
「はい、これ。これを着てね」
「わかりました!」
心実は満面の笑顔で、それを受け取った。
だが、その運動着の形状を知っていくにつれ、心実はみるみるうちに顔を引きつらせていく。
「あ、あ、あの……見吉、さん……?」
「うん?」
「こ、こ……これを……着るんですか?」
「そうだよ」
心実の問いに、見吉はさも当然のように頷く。
「で、ですけど……!」
「ん~? だいじょうぶ、私も一緒に着るよ? ……というか、実はもう着ちゃってるんだ、私」
そう言って、見吉は制服のボタンを外した。
するすると制服を脱ぎ捨てていき……。
「…………!」
思わず言葉が出なかった。
見吉は制服の下に、確かにその『運動着』を着込んでいた。
本当に、着ていたのだ。
しかし、これは……『運動着』と呼んでいいものなのだろうか……?
「み、見吉さんっ……!」
心実は顔を真っ赤にさせていた。
対する見吉は、まったく意に介した様子も見せない。
まるで、それが自然の状態であるかのような顔をしている。
「さぁ、椎名さんも……」
と、見吉は着ることを催促してくる。
だが、心実は固まってしまい、動けなかった。
見吉は首を傾げながら、
「……もしかして、恥ずかしいの?」
と、尋ねてくる。
心実は「あっ、うっ……」と言葉にならない声を、返すことしかできなかった。
「でも、椎名さんが新体操のときに着てるレオタードと、そこまで変わらないと思うよ、これ。少し小さいだけで」
「そ、そ、そうでしょうか……」
そう、なのだろうか……。
新体操のとき、自分はこんなきわどいものを着ているのだろうか。
いや、違う。
絶対、違う。
違うと、思うのだが……。
「うん、恥ずかしくないよ? ほら」
そう言って、見吉はなんともないとでもいうように、股を隠している部分の『運動着』を、ぐいっと引っ張った。
「み、み、見吉さんっ……!?」
心実は思わず声をあげる。
年頃の、特に、見吉のようなファッションモデルをしている女の子が、そんなことをするのは、あまりにも卑しすぎると思ったからだ。
当の見吉は、「んっ……」と一瞬艶っぽい声をあげただけで、平然としていた。
「ね? 私も一緒に着てるんだから」
「は、はぁ……」
「慣れればぜんぜん、恥ずかしくもなんともなくなるよ? だいじょうぶ」
見吉の言葉に、少しずつ心がぐらついていく心実。
そして、最後の決め手となる一言が発せられた。
「これを着れば、簡単に痩せれちゃうから!」
その一言で、心実は「うっ」と唸る。
そして、ついに折れた。
そう、見吉はすべてダイエットを成功させるために、言ってくれているのだ。
現に前回、彼女の助言のおかげで、しっかり痩せることができた。
変に疑う必要なんて、ないのだ。
むりやりそう納得し、心実は意を決して言う。
「わ、わかりました、見吉さん。私、着て見ます!」
見吉から『運動着』を受け取り、制服を脱いでいく。
心実が『運動着』を纏っていく姿を、見吉はにやにやしながら、嬉しそうに眺めていた。
* * *
あとがき
2話です。
短いです。
やっとハイグレを着ました。
正直、もう少し掲載しようか迷ったのですが、区切り的にここがちょうどいいかなぁと思いまして……。
次回は準備運動に始まり、実践(?)編へ移行していきます。
では、次回の更新でお会いしましょう!
コメント
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Re: タイトルなし
すみません
pixivの方はログアウトした状態でしたので、コメントに気づきませんでした。
リクの方ですが、参考にしてほしいポーズが見れませんでした。
もう一度貼ってもらっていいですか?
pixivの方はログアウトした状態でしたので、コメントに気づきませんでした。
リクの方ですが、参考にしてほしいポーズが見れませんでした。
もう一度貼ってもらっていいですか?
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Re: タイトルなし
申し訳ありません。
ログイン状態でなんどもアクセスしてるんですが、403 Forbiddenと出てしまいます。(汗
画像を貼るか、画像の場所まで誘導してもらえますか?
ログイン状態でなんどもアクセスしてるんですが、403 Forbiddenと出てしまいます。(汗
画像を貼るか、画像の場所まで誘導してもらえますか?
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Re: タイトルなし
遅れましたが、二つとも了解です。
今取り組み中ですので、お待ちください
今取り組み中ですので、お待ちください
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